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器用貧乏は赤魔道士になれ

極小ベンチャー企業のひとり管理部門担当者が、多岐に渡る日々の業務のことだったり全然関係ないことだったりを書くブログ

「交際費」は経理以外の人にもちゃんと理解しておいてもらいたい

会計・経理

こんにちはこんばんは、器用貧乏のケイリです。

3月決算の会社の経理担当のみなさんは決算業務や株主総会の準備に忙しい時期だと思いますが、いかがお過ごしでしょうか。ちゃんと家に帰れてますか?

 

今回のエントリーは「交際費」についてです。

交際費は、決算時の税務処理において重要課題のひとつです。税務調査でよく調べられるポイントでもあります。

そして、経理以外の部署にも大いに関わりがある経費ですので、経理担当者のはしくれとしては、経理業務と関係ない人でも交際費についてはちゃんと理解しておいてもらいたいと切に願っている次第であります。

 

 

交際費は法人税の納税額を左右する

経理に関わりのない人でもおそらく一番真っ先に思い浮かぶ交際費といえば、接待の飲食代だと思います。

しかし、接待かどうかに関わらず、自分以外の誰かとの飲食に支払った費用について会社に経費精算を求める場合、それ以外の種類の経費とは違う書式で経費申請しなければならない会社もあったりして、経費精算の申請方法の難易度が違っている場合があります。

飲食の場合は同行した人が誰なのかを明らかにしなければならないので、めんどくせーなーと思う人も多いのではないでしょうか。

なぜそんな面倒なことが求められるのかというと、誰と、何人で、金額はいくらで食事したかによって、法人税の納税額が増えるかもしれないからです。

 

 

交際費ってなに?

交際費の一例として接待飲食費を挙げましたが、交際費にあたる費用はそれだけではありません。

国税庁のHPでは、交際費を以下のように説明しています。

交際費等とは、交際費、接待費、機密費その他の費用で、法人が、その得意先、仕入先その他事業に関係のある者等に対する接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為(以下「接待等」といいます。)のために支出する費用をいいます。

 

交際費に該当するありがちな具体例をいくつかあげてみます。

  1. 接待飲食費
  2. 訪問先への手土産代
  3. 取引先等へのお中元・お歳暮
  4. 取引先等への慶弔費(祝花、祝電、香典、弔電)
  5. 業務上直接的に関係のある社外団体への協賛金(広告等に社名が載る場合は除く)
  6. 取引先等を招待した慰安旅行、観劇、ゴルフ接待などの費用

 

交際費に対するイメージがいくらか明確になってきたでしょうか。

簡単に言うなら、交際費とは業務関係者と良好な関係を保つおもてなしのために支出する費用の事です。

 

 

交際費と法人税額との関係

交際費が法人税の納税額算定に影響を与えると前述しましたが、 まずは法人税の納税額がどうやって算定されているのかを大雑把に説明しますので、理解してもらえればと思います。

 

法人税の納税額は所得の額に応じて算定されます。

所得の額は、「益金-損金」で計算します。

益金が100億円で、損金が80億円だと、所得の額は20億円です。

この所得20億円に税率をかけて法人税の納税額を算定します。

 

「益金」というのは税法上の収益のことで、「損金」というのは同じく税法上の費用のことです。

損金が増えると所得が減ってその分法人税の納税額が減りますし、逆に損金が減ると所得が増えて法人税の納税額が増えます。

そして交際費は、会社の規模によってその一部が損金から除外される場合があるので、その分所得が増えて法人税の納税額も増えるわけです。

 

 

会社の規模による交際費の取扱いの違い

まず、交際費を「接待飲食費」と「接待飲食費以外の交際費」に分けて考えます。

そして、交際費をどれだけ損金として認めるかは、その会社の資本金の額によって以下のように規定されています。

 

1.資本金1億円以下の中小法人

以下のa.b.のうちどちらかを選択できます。

a.交際費のうち、接待飲食費の50%までを損金算入(つまり「接待飲食費の50%+接待飲食費以外の交際費」が損金とみなされなくなります。)

b.交際費のうち、年間800万円までを損金算入(つまり「接待飲食費+接待飲食費以外の交際費」<800万円であれば、全額損金とみなされます。)

 

2.資本金1億円超の法人

交際費のうち、接待飲食費の50%までを損金算入(1.a.と同様です。)

 

中小企業で交際費が年間800万円も計上している会社はあまりないと思いますので、ここでは、資本金1億円超の法人に適用される「交際費のうち、接待飲食費の50%までを損金算入」に焦点を当てたいと思います。

 

 

交際費(接待飲食費)かどうかの判定

1.得意先や仕入先などの社外の業務関係者との飲食費

取引先の人と一緒に食事にいくと、その飲食代は必ず交際費(接待飲食費)に該当するのかというと、そんなことはありません。

実は、得意先や仕入先などの社外の業務関係者との飲食費が1人当たり5000円以下の場合、税務上は交際費に該当しないこととされています。

つまり、そもそも交際費ではないので、法人税の納税額の算定時には損金としてみなされるのです。

具体的にはこういう経費のことを「会議費」といい、経理担当者は交際費とは区別して処理しています。

 

2.社内の人との飲食費

では、社内の人との飲食費はどうなのでしょうか。

社内の人だから接待ではないので交際費(接待飲食費)には当たらないと思いきや、たとえ1人当たり5000円以下であっても、これは税務上は交際費(接待飲食費)とみなされます。

わが社の社長は接待用のお店を開拓するためにたまに従業員を食事に連れて行ってくれますが、そのときの飲食代は交際費となります。

※ちなみに、会社の忘年会や新年会など、社員みんなに参加する機会が与えられているようなものについては、その飲食代は福利厚生費となり、交際費には該当しません。

 

これらからも分かるとおり、交際費(接待飲食費)に該当するかどうかを判別するには

誰と:社外の業務関係者 or 社内の人

何人で:飲食費が1人当たり5000円以下か否か

という情報がどうしても必要になるので、飲食費に関する申請書類にはより詳しい記述をしてもらうことになるのです。

 

 

交際費はとにかく税務調査で一番チェックされるポイントと言っても過言ではありませんので、正確かつスムーズに対応するため、経理部門以外の方々もぜひご理解ください。

 

接待飲食費を中心とした交際費等の実務

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