器用貧乏は赤魔道士になれ

極小ベンチャー企業のひとり管理部門担当者が、多岐に渡る日々の業務のことだったり全然関係ないことだったりを書くブログ

未経験者の私が経理職に就くまでの長~い道程

 質問サイトの転職カテゴリーで、未経験だけど経理職に就きたいがどうすればいいか、という質問を結構目にします。

 

 経理職に転職したい場合、経験者が断然有利だといわれています。

 経理職は事務職の中でも経験年数が重視される職種です。3年経験してやっと一人前。転職サイトでは、10年以上の経験が求められる求人も多くあります。

 

 しかし、当然ながら最初は誰もが未経験です。

 新卒でいきなり経理部門に配属されて社会人生活をスタートさせる以外で経理職の経験者になるには、社内の経理部門に異動になるか、未経験で経理職に転職するかのどちらかになると思います。

 

 私の場合、経理の職に就いたのは30歳過ぎてからなのでどちらかというと遅いのですが、経理職を視野に入れ始めたのは24歳でした。

 それまでは販売職やテレアポなどの接客業をしていましたが、クレイマー対応にうんざりしてしまい、事務職、できれば経理に転職しようと考えました。

 

 そこでまず日商簿記を勉強し、1級まで取得しました。経理の実務には2級までの知識で十分とよくいわれますが、この簿記1級の取得が転職時に効果を発揮しましたし、現在の仕事においてもとても役に立っているので、取得して本当によかったと思います。

 

 簿記1級は取ったものの、そもそも事務職の経験がまるでなかったので、自分にその適性があるかどうか分かりませんでした。ですので、とりあえずA社で事務職のパートとして働き始めました。

 

 A社では大量のデータ処理や書類作成、販売管理システムの運用を主に担当していました。おかげでExcelやWord、Accessなどのビジネスソフトはマクロを組める程度には使いこなせるようになりました。

 また、パート従業員というと大抵は正社員の補佐的業務を受け持つものですが、有り難い事にA社では複数の業務のメイン担当を任せてもらえたので、その後の転職活動において職務経歴書の内容を向上させることができました。

 

 A社で数年働き、経理への転職活動を始めました。

 経理が未経験ということで、転職活動はやはりそれなりに困難がありました。求人応募の際に電話で未経験である旨を事前に伝えておいても、「簿記1級に合格しても未経験ではね」と面接中ずっと嫌味を言われ続けて(だったらなぜ面接に呼んだ!?)不採用になったこともありました。

 

 ただ、この転職活動の中で、簿記1級持ちの経理未経験者が書類選考をくぐり抜け、面接に進む確率を上げられる求人の種類があることに気付きました。

 それは、アシスタントやスタッフレベルの「増員」のための求人です。

 

 「欠員」のための求人は、基本的には退職する人の穴を埋めるためのものです。その穴をすぐに補完できる人材が求められますので、経験者の応募を望んでいる募集が多いのだと思います。“急募”の場合は特にそうでしょう。

 

 しかし「増員」のための募集では、社内で業務担当者が特に決まっていない仕事に対するポジションを新たに設けたり、1人でやっている業務を2人で担当させるための募集であったりするので、未経験者をポテンシャル採用する可能性が「欠員」募集の場合よりは高まります。

 

 なお、従業員を増員するということは、企業の業績が上向いている局面であることが考えられますので、転職先としても悪くありません。

 

 私はこの転職活動時に2社内定を頂きました。

 1社(B社)は経理部門の強化を考えて簿記1級保持者の採用を望んでいる会社でした。

 そしてもう1社(C社)は、それまで経理部員が担当していた給与計算を含む労務業務専門の部署を新たに立ち上げることを考えており、ゆくゆくは経理業務も担当することも見据え、簿記の有資格者を求めている会社でした。

 

 C社の場合、最初に就く業務は労務担当で、その業務に関係する範囲で経理システムに関わることができますが、純粋な経理職ではありません。

 いずれは経理への異動も考えていると面接で説明を受けましたが、本当にそうしてもらえるかどうかは分かりませんでした。途中で事情が変わるなんて事はよくある話ですし。

(ただ、労務の仕事も面白かったのでそれはそれで良かった気もきますが。)

 

 しかし、私はC社に入社しました。

 理由は、B社よりずっと給料が良かったことと、規模がB社より大きかったことです。

 

 話に戻りますが、選考の場面ではとりあえず資格持ちであることで頭は悪くないことは示せますが、それ以外のモノでも私にポテンシャル(可能性)を感じてもらわなければなりません。

 

 私の場合、A社で経験した仕事のお陰で、エクセルやアクセスなどのビジネスソフトをマクロが組めるぐらいまで上達していたこと、大量のデータ処理に慣れていたこと、新しいシステムの導入作業に携わった経験があること(C社は給与計算と経理において新しいシステムの導入を数年内に予定していたので)が評価されたようです。

 

 面接で大事なのは、自分がその会社で働いている姿を相手に具体的にイメージさせられるかどうかです。例え経理が未経験であっても、経理業務に活かせる職務経験はいくらでもありますから、自信を持ってアピールすべきだと思います。

 

 C社に入社しましたが、私は労務担当であって、経理業務にほとんど携わることがありません。この時点では私はまだ経理未経験者です。

 入社後、日常の労務業務をこなしながら給与計算の新しいシステムの導入を行い、さらに部下を数人育てるのに2年かかりました。

 その後は労務担当のリーダーをしながら経理の新しいシステムの導入に携わり(経理の通常業務にはまだ関わっていません)、それが完了するまでさらに1年。

 ここまでで入社してから3年かかっています。

 

 この経理のシステム導入が終わった頃、経理の係長の1人が早期退職制度を利用して退職することになり、その方が後釜として私を上司に推薦してくれました。システム導入での私の働きぶりを評価してもらえたようです。

 こうして私は晴れて経理部門の人間となったわけです。このとき私はちょうど32歳になったばかりでした。簿記を勉強し始めてからここまで8年近くかかりました。

 

 もし本当に経理の道を歩みたいのなら、数カ月間の転職活動がうまくいかなかったとしても、なにもそれで諦めてしまうことはありません。私のように亀の歩みで紆余曲折して8年かかった人間もいることを知って、少しでも落ち込んだ気持ちを持ち直してもらえたらと思います。