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器用貧乏は赤魔道士になれ

極小ベンチャー企業のひとり管理部門担当者が、多岐に渡る日々の業務のことだったり全然関係ないことだったりを書くブログ

会計期間はどうやって決めるの?

会計・経理

 法人や個人事業主には会計期間というものがあります。

 会計期間とは、財務諸表の作成対象となる集計期間のことです。

 会計期間が4月1日から3月31日の場合は、この期間中の収益と費用を集計して損益計算書を作成し、3月31日時点で保有する資産、負債、純資産の金額を基に貸借対照表を作成します。

 また、会計期間は、事業年度や営業年度と言ったりもします。

 

 では、会計期間とはどうやって決められているのでしょうか。

 

 個人事業主の場合は所得税法によって会計期間は1月1日から12月31日と定められています。

 

 一方、法人は1年以内の期間であれば任意に会計期間を決めることができます。

大抵の法人は1年間の会計期間を定めますが、半年や3カ月の会計期間でも構いません。

 ただし、会計期間が1年でない法人数は少なく、平成25年度の国税庁統計情報では、申告法人数260万法人のうち、18,418法人のみです。

 会計期間が短いと、長期的利益より短期的利益を追い求める姿勢が強まります。また、決算回数が多いとそれだけ決算時に発生する業務が増えますので、特別な事情でもない限り会計期間を1年間とするものなのでしょう。

 

 法人の平成25年度の国税庁統計情報において示された決算月別法人数は以下のとおりです。

 3月決算の法人数が多く、次いで9月決算、12月決算、6月決算の法人数が横並びとなっています。

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 また、資本金1億円以上というある程度大きな規模の法人数で見た場合、3月決算の法人の割合が群を抜いて多くなっています。

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 では、なぜ3月決算の法人が多いのでしょう。

 理由はいろいろあるのでしょうが、おそらく以下のようなことが主でしょう。

 

1.国や地方公共団体、またはそれらの事業に関係する独立行政法人などの会計期間(4月1日から3月31日)に合わせるため

 たとえば国や地方公共団体独立行政法人などの補助金事業や委託事業に採択されている場合、それらの事業期間の期末も3月31日までである場合が多いため、法人の決算も3月にしておくと予算額や実績額の算定や収益等の計上など、実務がやりやすくなります。

 

2.親会社と決算月を合わせるため

 グループ企業の場合、親会社、子会社、関連会社の財務諸表を合わせた連結財務諸表を作成しますが、決算月を合わせておいた方がそうでない場合に比べて作業の手間が幾分か省けます。

 

3.株主総会対策のため

 3月決算の法人の株主総会は6月中旬~下旬に集中して開催されています。この時期に株主総会を開催すると出席する株主が他の株主総会に分散されますので、たとえば総会屋などを想定する場合、出席されにくくなるわけです。

 

 しかし、決算月が3月の法人が多いからといって、どの法人も会計期間を4月1日から3月31日にする必要はありません。その法人の事業実態に合った会計期間にすればいいのです。

 ちなみに決算月をいつにするかは会社設立日にも左右されません。

 会社設立日が9月1日だからといって、会計期間を9月1日~8月31日と1年間にする必要はありません。期末を12月31日としてもいいですし、もっというなら、期末を月末にするのではなく、月の途中(たとえば25日とか)にしても構いません。

 

 たとえばあなたが会社を設立するとしたら、どのように会計期間を決めればいいでしょうか。

 経理の立場から言うと、業績の予測が立てやすいように会計期間を決めるのも方法の一つではないかと思います。

 業績の予測が立てやすいとは、当期の損益の金額をなるべく早く見積もることができるということです。

 

 具体的には、売上高が多い時期が上半期になるように会計期間を定めます。そうすれば年間の売り上げ予測や損益予測を立てやすくなります。

 当社は3月決算なのですが、2月や3月の売上が多く、しかもこれらの売上に対する受注も突然決まることが多いので、期末間近にならないとその会計期間の決算損益がいくらになるか予測がなかなかつかないので困ります。

 

 または、受注時期が一時期に集中するなら、その時期を上半期になるという方法もあります。

 もう10年以上前の話になりますが、私は就職活動をする学生に企業情報を提供する広告代理店に勤めていたことがあります。

 クライアントは新卒学生を募集する企業で、決算月は10月でした。

 

 今はどうか分かりませんが、当時は合同企業説明会の開催や企業の情報誌の提供は大学生3学年の1月から始まっていましたので、企業の年間の採用活動スケジュールは3学年の12月までにはおおよそ決まっていました。

 また逆に大手企業の採用活動は4学年の夏頃に終わっていました。

 夏から秋口は中途採用の合同企業説明会などがありましたが、新卒採用活動時期に比べて売上高がずっと少なかったです。

 このような業界の慣習のため、3学年の秋~年末に受注が殺到し、年間の売上高がいくらになるかがここでほぼ決まっていたのです。

 

 いずれにせよ、どの企業も様々な要因で会計期間を定めていることと思います。なぜこの企業の決算月がその月なのか、想像を巡らせてみるのも面白いかもしれません。