器用貧乏は赤魔道士になれ

極小ベンチャー企業のひとり管理部門担当者が、多岐に渡る日々の業務のことだったり全然関係ないことだったりを書くブログ

バイオベンチャーにとって知財は重要だけどそれにだってお金がかかる

 研究開発にはお金がかかりますが、特許権の出願や申請の手続きにもとってもとってもお金がかかります。

 

 バイベンチャーにとって、特許権はとても重要です。ゆえに特許戦略はしっかりと考えていかなければなりません。

 我が社の場合、シードがたくさんあった為、お金があった最初の頃はやたらめったら出願していたので、特許関係にはかなりお金がかかっていました。

 資金が厳しくなってきてからは仕方なく確保する特許の数を減らしていきました。

 まぁ、実際は拒絶通知の内容を吟味して取り下げざるを得なかったものもあったようですが。

 

 特許が成立するまでの流れを簡単に振り返ってみます。

 

 まず特許庁に出願します。ここで特許庁に払う出願料が発生します。請求項が多いと出願料も多くなりますし、特許事務所に払う報酬も多額になります。

 ちなみに、同じ内容の技術などを複数の者が出願した場合、最初に出願した人のものが採用されます。

 

 出願してから1年6カ月が経つと、出願内容が公開されて公知のものとなります。この時点から出願した発明技術を使用する者(実施者)に対して補償金を請求する権利が発生します。

 

 出願から3年以内に審査請求をします。もし審査請求期限内に出願審査請求をしなければ、出願を取り下げたものとされます。

 そして審査請求の際にも特許庁にお金を支払わなければなりません。これも請求項の数によって金額が変わります。審査されて問題がなければ、特許権が成立します。

 

 しかし特許権を与えるべきでないと判断されれば、拒絶理由通知が特許庁から送られてきます。

 とりあえず我が社が今まで拒絶通知を喰らわなかったことはほとんどありません。

 

 意見書や補正書を提出して拒絶理由の解消に努めます。最初に出願をするときになるべく多くの請求項で出すので、ここで請求項を削ったりすることもあります。

 当然意見書や補正書を作成して提出するにも特許事務所に報酬を支払います。

 

 また、1度補正書や意見書を出しただけで認められるとは限りません。もう一度拒絶通知を喰らったら、また補正書や意見書を出すのです。そのたびに費用がかかります。

 しかし、拒絶理由の解消をしたいあまりに、出願内容が本来保護したい技術をカバーできていないような意味のないものになってしまわないように気を付けなければなりません。

 

 拒絶理由がないと判断されると、特許査定となり、3年分の特許料を払うと特許権が設定されて、ここでやっと特許権が発生します。また特許事務所からも成功報酬が請求されます。

 

 ここに書いたのは国内出願だけです。国際出願をするともっとお金がかかります。なにせ国ごとの出願です。出願先の国ごとの特許事務所に払う手数料もばかになりません。

 私が経験したものですと、3件の国内・国際出願をした研究開発があって(途中で1件取り下げましたが)、それにかかる特許関連の費用は、特許権が成立した頃には国内の特許申請にかかった費用と合わせて1千万を超えていました。出願国はアメリカ、カナダ、EUでした。

 

 バイベンチャーにとって特許申請の費用は避けては通れません。これ自身が利益の源泉になるかもしれないのですから。

 これらの費用を当初から見込んでおかないと、あとで資金が枯渇して特許に関する権利をみすみす手離すことにもなりかねません。

 また、以前書いた業者のぼったくりのように、他と比較して高額な報酬を要求するような仕事ぶりの特許事務所もあります。

 気軽に相談できて、料金も良心的な特許事務所を見つけるのは大変ですが、そういうところを探すのはとても重要です。

 

知財戦略のススメ コモディティ化する時代に競争優位を築く

知財戦略のススメ コモディティ化する時代に競争優位を築く