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器用貧乏は赤魔道士になれ

極小ベンチャー企業のひとり管理部門担当者が、多岐に渡る日々の業務のことだったり全然関係ないことだったりを書くブログ

会社からお金がなくなると自律神経もまともでなくなる

 会社からお金が徐々になくなっていくとは実際どういう感じなのか、どういうことが起こるのか、実体験を書いてみます。

 

 入社2カ月にして、あと数ヵ月で資金ショートするのでどうしますか?という状態になりました。

 

jackofalltradesandmasterofnone.hatenablog.com

 

 そしてその状況がその後3年間程続きました。資金ショートまであと3か月、2カ月、ときには6カ月と、タイムリミットはそのときどきによって伸びたり早まったりしましたが。

 

 多くのバイオベンチャーがそうだと思いますが、日銭を稼ぐ手段があまりありません。

 当社の場合は自社の研究開発の他に、他社の研究を受託していましたが、研究というのは基本的に時間がかかります。

 契約時に半金を受け取り、残り半金は研究完了時にいただくというのが当社でよくあるパターンなのですが、研究計画というものがあるので、研究が長引くことはあっても早まることはほとんどありません。

 また、研究を受託するにも、受注に向けての仕込み(営業活動)は少なくとも半年前には始めておかなければなりません。

 つまり、研究の受託によって得られる収入は不定期になりがちなので、それだけでは資金繰りの計画を立てるのが難しいのです。

 

 しばらくの間はそんなふうに首の皮一枚で凌いできましたが、いよいよ事態は手詰まりになってきました。

 日銭を稼ぐ事業も育たない。受託研究で食い繋ぐのももう限界。ベンチャーキャピタルも頭を抱える始末です。

 

 まず、当然のことながら、研究開発は基本的にコストセンターなので、お金がなければ研究開発が進められなくなります。

 この時期からしばらくの間は研究開発が積極的にできなくなりました。

 

 次に業者への支払いを遅らせていきました。末締め翌月末払いを、翌々月や3か月後払いにしたりしました。

 業者から入金の確認ができないという電話がかかってくると、電話を取った人に担当者が不在であると言ってもらって居留守をつかったり、請求書が経理の元に届いてないと言ったりしてごまかしてました。

 

 また、住民税の支払いを遅らせました。従業員数が少なかったので、それぞれの市町村の納税額はさして大きな金額ではありません。納税額が少ないと延滞金がつかない場合があります。

 住民税は毎月10日が納期限ですが、月末の売掛金の入金が確認できた後で支払ったりしていました。

 

 そこまでやってまだ資金繰りが苦しければ、あとはもう給与の支払いを遅らせるしかありませんでした。一番切羽詰っていたときは、3カ月分の給与が期日通りに支給できなかったことがありました。

 

 最も現金預金なかったときの残高は、たったの数十万でした。私は資金繰り表に毎日チェックし修正変更するのですが、資金繰りのデータファイルを開くたびに動悸がして顔が火照るというような、自律神経が不調になるような状態にまでなりました。

 

 しかし、この状況でもまだ会社を辞めようとは思いませんでした。

 ここまで来たらもういっそのこと会社がどのように倒産するのか見てみたい。毒を食らわば皿まで。

 私の中では無意味な怖いもの見たさの方が勝っていました。ただし、実際には会社を法的に倒産させるにもお金が必要です。数十万ではそれすらままなりません。

 

 このように、当時はまさにほぼ八方塞がりの状態でしたが、いろいろな状況の変化があり、会社は現在もどうにかこうにか存続しています。