読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

器用貧乏は赤魔道士になれ

極小ベンチャー企業のひとり管理部門担当者が、多岐に渡る日々の業務のことだったり全然関係ないことだったりを書くブログ

月額リース料が安くなるからとって安易に複合機のリース契約をしてはダメだよ

 前回少しリースの話題を出しましたが、今回は複合機のリースのことを書きます。

 

 複合機のリースについては、とにかくよくセールスの電話がかかってきます。

 これらのセールストークでよくある「掴み」は2通りです。カウンター料金が安くなりますというトークと、月々のリース料金が今支払っているリース料金よりも安くなりますというものです。

 コピー用紙が無料ですという売りトークもありますが、大抵はこの2つを枕詞としてセールストークが始まります。電話を受けた経験がある方も多いのではないでしょうか。

 

 で、結論か言うと、月々のリース料が現状より下がるという判断基準だけで契約してはいけません。これは数字に弱い経営者を騙すテクニックなのです。

 

 まず、リース契約とは何なのかを理解する必要があります。

 リース契約には、3つの関係者が関わっています。

 3つの関係者とは、①複合機販売会社、②リース会社、③複合機を使用する立場の者(①から見たお客)です。

 ちなみに会社にセールス電話をガンガンかけているのは①複合機販売会社です。複合機のリースの場合、②リース会社が③お客の前に出てくることはほとんどありません。

 

 商談が成立したら、まず①複合機販売会社と②リース会社が複合機の売買契約を結びます。つまり、複合機は②リース会社に売られ、②リース会社の所有物になります。

 次に、②リース会社と③お客がリース契約を結び、複合機は③お客の手に渡って利用できるようになります。しかし、複合機の所有権は依然として②リース会社が保有したままです。

 

 あれ? これってただの複合機のレンタルなんじゃないの?

 一見そう見えるかもしれません。もちろん複合機のレンタルサービスも存在しますが、賃貸契約とリース契約の主な違いは、契約期間中(私の経験では5年契約が一般的)に解約できるかどうかというところにあります。そして、リース契約は途中解約ができません。

 

 リース契約というのは、実質的には②リース会社からお金を借りて③お客が複合機を手に入れているという状況に近いのです。ですからリース会社の業種区分は金融業になるわけです。

 会計上についても、③お客側においては、借り入れをして資産を取得したと見なした処理が行われます。(ただし一定の要件に適合すれば、レンタルした場合と同じ会計処理が認められます)

 

 さらに会計上の処理という観点から見た場合、リース契約には2つの種類があります。「所有権移転ファイナンス・リース」と、「所有権移転外ファイナンス・リース」です。

 前者は、リース期間が満了した時点で所有権が③お客の側に移ります。

 しかし、後者はそうではなく、複合機を使用し続けるためには、再リース契約を結んで年間の再リース料を支払う必要があります。

 

 この2つのファイナンス・リースにおいて、会計上の処理がどう違うのかというと、減価償却の計算に用いる耐用年数の把握の仕方が異なります。

 前者は通常複合機に用いる耐用年数で計算しますが、後者の場合は、リース契約期間を耐用年数として減価償却を計算します。前者の方が、③お客が資産を取得したと同様の会計処理により近いのです。

 

 なぜこんなに長々とリース契約について説明するのかというと、借金をして資産を取得したのと同じことなので、リース料にはその借金に対する利息が含まれていることを理解しておくことが重要だからです。

 

 複合機のリースのセールスの話に戻ります。

 ここで私が経験したぼったくり同然のセールス内容を紹介します。

 

 まずセールス側は、こちらの月間カウンター数、現行使用している複合機の機種やリース契約期間などを聞き出し、それに基づいて見積りを出すから一度現状と比較してみてほしいと言いました。

 契約する気は更々なかったのですが、見積もりを取るくらいなら構わないと思い、こちらは承諾しました。

 

 しばらくして、見積書がFAXで届きました。

 一般的にリース料総額の内訳は、だいたいリース物件の本体価格と金利、リース会社側の手数料等となります。

 もしまだリース期間が残っている複合機と入れ替えで新規に導入する場合は、撤去する側の複合機の残債額がこれにプラスされます。

 

 まず、本体価格ですが、何とメーカーのHP上で公表されている定価より少し高かったのです。

 もしかしたら設置や設定の手数料か何かを含んでいるのかもしれませんが、正直なところ定価より高いなんてあり得ません。

 複合機の定価というのはかなり高く設定されています。真っ当な業者から見積りを取ったことのある方ならご存知と思いますが、定価って何?と思うくらいにがっつりと見積額が下がります。

 

 金利は単純に比較できない(一応検討してみましたが、現行のリース契約より利率が高そうでした)ので、最後に月額リース料金額を見たところ、現行より安くなっていました。

 しかし、リース契約期間が6年! 現状は5年契約です。安くなって当たり前です。

 この見積額から、5年契約した場合の月額リース料をおおよそで計算してみたところ、リース料総額が現行と比べて笑えるくらい高かったです。ネット用語で草が生えました。

 

 これらの比較検討をした後、再度その会社から電話がかかってきました。月額のリース料が今より安くなりますよ!と自慢げに。

 契約期間が6年だから当然でしょう、それよりリース料総額が高すぎます、と返しましたが、でも月額リース料が安くなります!の1点張りでした。

 おそらくそこが多くの人が騙されるポイントなのでしょう。結局、まったくお話になりません、と伝えて電話を切りました。

 

 このぼったくりセールスのチェックポイントは主に本体価格と契約期間でしたが、複合機のリースには、カウンター料金や保守料金、トナー料金など、他にも考慮しておかなければならないことがあります。

 リース契約をする際には、月額リース料に惑わされず、総合的に判断しましょう。

 

 余談ですが、このセールスの半年後に同じ業者の違い営業担当者から再度セールス電話があり、また見積もりを取ってみました。

 結果、前回の見積りは何だったんだと思えるくらい、かなり安い見積りを出してきました。(それでも高かったですが。)

 このような業者が会計リテラシーの低い企業を手ぐすね引いて待ち構えていますので、気を付けましょう。

 

リース会計実務の手引き: 取引実務と法務・会計・税務

リース会計実務の手引き: 取引実務と法務・会計・税務